早生 | 「……誰かいますか?」 |
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??? | 「はい、どうぞ」 |
ちょっとしたモヤモヤを抱えながらノックをすると、そんな返事があったので、 素直にドアノブを回した。 | |
早生 | 「失礼しま――」 |
下着姿の女の子 | 「あれ?」 |
言葉を失った。 | |
早生 | 「なんでまだ着替えてるんだよ!」 |
下着姿の女の子 | 「まだ?」 |
しかもさっきのまんまの格好なのはどういうことだ!? キミはそんなに着替えるのが遅いのか? | |
その真っ白な肌をさらして、怒るでもなく、慌てるでもなく、 こちらをぼんやりと見ている彼女。 | |
すらりと伸びた細い手足も、整った顔立ちも、手にしたままピクとも動かない制服も、 さっきのまんまだ。 | |
下着姿の女の子 | 「あっ、もしかして、今日から入る男の人?」 |
早生 | 「そう、だけど……今、聞くことじゃなくないか?」 |
下着姿の女の子 | 「そうかも。でも気になったから」 |
「気にすべきことは他にもっとあるだろう!」 | |
という叫びをぐっと飲み込んだ。 | |
早生 | 「着替えてる最中だったら『どうぞ』なんて返事しない方がいいと思うな」 |
下着姿の女の子 | 「あっ!」 |
下着姿の女の子 | 「そっか、男の人が入るんだから気をつけないと。すみませんでした」 |
早生 | 「わかってくれればいいんだ……って、謝るのは俺の方だろう! ごめん!!」 |