恵那 | 「あむっ……んむ、んむ、んむ……」 |
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恵那 | 「んぅ~、酸っぱいかと思ってたけど、結構甘いですね」 |
早生 | 「これってマズイんじゃ──」 |
恵那 | 「宝交さんも、おひとつどーぞっ!」 |
早生 | 「んぐっ!?」 |
ツッコミの声をあげた瞬間、口の中にイチゴを放り込まれた。 | |
早生 | 「んぐっ……んっ……あっ、甘い……美味しいな……」 |
早生 | 「じゃなくて!」 |
恵那 | 「うふふっ、これで私と宝交さんは共犯ですねー」 |
早生 | 「あのなぁ……いいのか、こんなつまみ食いして?」 |
恵那 | 「はい、シェフさんから好きにしていいって言われてるので」 |
早生 | 「それを先に言ってくれ……」 |
恵那 | 「ふふっ、ごめんなさい。ついからかいたくなっちゃって」 |
早生 | 「いくら職場では後輩だからって、あまり年上をからかうんじゃないぞ?」 |
恵那 | 「はぁい、お詫びにもう一つどうぞ?」 |
早生 | 「じ、自分で食べられるって……」 |
恵那 | 「駄目ですっ、あーん?」 |
早生 | 「こんなの誰かに見られたら……あーん……んむ、んむ……」 |
俺は抵抗もむなしくまた、牧ノ沢さんに食べさせてもらう。 | |
恥ずかしくて、ついキョロキョロしてしまったが、 キッチンの人は誰も気づいてないみたいで助かった。 |